人の心を動かすマーケティングとは?「ゴールデンサークル」理論に学ぶ

ゴールデンサークル理論

近年、競争が激化する市場において、多くの会社や事業主が「選ばれ続けるため」のブランディング活動に注目しています。

市場が成熟し、いつ・どこでも・良いモノがすぐに手に入り易くなった現在、商品やサービスの差別化が難しくなり、お客様に長く愛され続けるためにはどのように事業の魅力を発信したら良いのでしょうか。

その答えを探るヒントの一つとして「ゴールデンサークル理論」というものがあります。

ゴールデンサークル理論は、10年以上前に話題となったTEDトーク『優れたリーダーはどうやって行動を促すか』でマーケティングコンサルタントのサイモン・シネック氏が提唱した理論です。

彼は、Apple社・キング牧師・ライト兄弟などの例を挙げて、すべての成功者がWHY(なぜ)で行動を起こし、続いてHOW(どうやって)、そして最後にWHAT(何を)に繋げるというパターンが共通しているとし、人の共感を得るためには「WHY→HOW→WHAT」の順で想いを伝えるべきだと話しました。

例えばApple社はiMac、iPadやiPhoneなどの人気商品を世に送り出し不動の地位を築いてきましたが、これがもし他の会社と同じ発想だったらこんなCMを作るだろうと解説しています。

WHAT: 「我々は素晴らしいコンピュータを作った」

HOW: 「美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい製品です。」

WHY: 「一台、いかがですか?」

開口一番「WHAT」の説明(我々のコンピュータは素晴らい)から入り、次に「HOW」(美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい)、そして最後には「一台いかがですか?」と当然のように見返りを要求しています。まるでテレビショッピングの構成みたいですね。しかし、世の中に出回っている商品・サービスの殆どがこの順番でアピールしているのが現状ともいえます。

対照的に、Apple社のCMはこのようなものでした。

WHY: 「現状に挑戦し、他者とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。」

HOW: 「製品を美しくデザインし、操作方法をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦しています。その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。」

WHAT: 「一台、いかがですか?」

いきなり商品のスペックやデザインを「どうだ!」と言わんばかりにアピールするのではなく、Apple社の信念を謳い直接感情に訴えるところから始まっています。

この手法は当時とてもセンセーショナルで、新機種が発売される度に前夜から8時間も泊まり込みでファンが列を作るなど、結果的に熱狂的なファンを生みました。電化製品メーカーで、このような現象は他に例がありません。

1997年のApple Computerの広告キャンペーンのスローガン、”Think Different”。
アメリカで最も効果を上げたキャンペーンとして、数多くの受賞や評価につながった。

サイモン・シネック氏はスピーチの中でこのように述べています。

人は「何を」ではなく「なぜ」に動かされるのです。
自分の提供するものを必要とする人にビジネスをするのではなく、
自分の信じること(信念)を信じる人とビジネスするのを目標とすべきなのです。

Simon Sinek

人を動かすのは、WHAT(何を)ではなく、WHY(なぜ)であり、優れたリーターは共感を呼ぶ「WHY?」の力で、人を動かすことができるというのが彼の主張です。

今や世界をリードする企業や製品の核は全て「WHY(なぜ)」つまりミッションが肝となっており、このような考え方は個人にも浸透しつつあります。消費者の注目は「モノ」よりも商品・サービスを購入した結果として得られる「コト(体験)」に移っており、その価値が明確に伝わらなければ長く愛され続けることはもはや不可能になってきているのです。

お客様から「他とは違う価値がある」と感じて選び続けてもらえるよう、ゴールデンサークル理論の考え方を参考にしながら、自身の背景にあるブランドストーリーを積極的に発信していくことが、これからの時代のマーケティングにおいて欠かせない活動といえるでしょう。

興味のある方は、こちらの動画も是非視聴してみてください。

▼【TED】優れたリーダーはどうやって行動を促すか/サイモン・シネック (日本語字幕)
https://youtu.be/K1jRI1RdkHE

自分は社会にどのように貢献できるのか、「なぜやっているか」「信念」を発信することが大事ですね!